ブッシュ 孝子。 ブッシュ孝子(メモ)

苦しみは別なところで苦しむ者への恩寵となる 一人になった時に、自分の中にある力を感じて、言葉を紡ぎ、詩の炎をもって世の中に出ていくことができるのです
詩人のなかには、さびしいと感じるのは「よい」ことだという人もいます かわいそうな赤いバラ まだ開きはじめたばかりだというのに 首もとからポッキリ折られて 地にうちすてられた でも私のバラよ なげくことはない やさしい白い手がお前をひろいあげ 小さなガラスの器に お前をうかばせた 今ではお前は 咲きほこるどのバラよりも ずっと美しくみえる 涙のようなつゆを宿してずっと ずっと輝いて見える (『白い木馬』) ここでの「バラ」は、彼女自身でもあり、この世に存在する生けるものすべての異名でもあります
それは「私」を介して届けられる〈無言歌〉というべきものだ 彼女の詩に再び光をあてたのは、批評家の若松英輔さんだ
その交響楽に身をゆだねる (略) まず、取り上げたいのは、先に見たブッシュ孝子の作品です
84-85頁 悲しみや苦しみに苛まれることは誰にでも起こります しかし、母の答えを聞いて、時と場合によっては、矛盾したままで良いケースがあるのだと気が付いた
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誰でも、年齢を重ねれば危機と呼ぶべき時節に至る 「詩人は『いのち』の発見者であり、守護者であるだけではない
亡くなる最後の瞬間に、自分のこれまでの人生を全てぶつけて、生まれてきた詩だったのでしょう」 《私は信じる/私にも詩がかけるのだと/誰が何といおうと/これは私のほんとうのうた/これは私の魂のうた》 (山本悠理)=朝日新聞2020年7月15日掲載. その後、ウィーン大学で研究に励んでいた時、ヨハネス・ブッシュと出会う 事実、私がそうでした
でも、そんなときでも詩の扉をあければそこに必ず内なる詩人がいて、本当に必要な言葉を与えてくれるのです かつて河合隼雄氏、神谷美恵子氏が著作で紹介し、多くの読者が復刊を待望するブッシュ孝子の詩集を、未発表の作品も収録し刊行
新泉社(東京都)の浅野卓夫さんは昨年1月にあった若松さんの講演会で、「いま本当に読まれるべき詩集だ」という言葉を聞き、刊行を思い立った その詩は、彼女の没後、教育学者でもあり詩人でもあった周郷博によって編纂され『白い木馬』として公刊され、衝撃を与えた
光を経験した者の賛歌である 宮沢賢治やリルケなどを愛読し、かねて「童話を書いてみたい」と願っていた彼女は、73年9月から詩をつづり始めた
あなたの問いには、あなたの最も内部の感情が、最もひそやかな瞬間におそらくこたえてくれるものでありましょう (高安国世訳) ここに記されていることは本当です
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